井上三太氏の伝説的漫画を園子温監督が「TOKYO TRIBE」として実写映画化することが決定し、YouTube上で公開オーディションを実施することがわかった。園監督にとって「ヒミズ」(2012)に次ぐ漫画作品の映画化で、今回は一般から出演者を募るという新しい試みに挑戦する。
原作は、架空の街“トーキョー”に生きる若者たちの姿を、ヒップホップなどのストリートカルチャーを色濃く反映させて描いた井上氏の代表作「TOKYO TRIBE2」で、2006年にアニメ化されている。
園監督は「伝説の漫画『TOKYO TRIBE2』を監督するということになりとても興奮しています。近未来の“トーキョー”を舞台にストリートギャングたちが大暴れする作品なので、私も大暴れするつもりです。今回は、一般のみなさんにも出演していただこうと思い、公開オーディションを行なって逸材の発掘もしていきたいと思っています。新しい人たちと映画の新しい可能性をこの作品で発見したいと思っています」とコメントを寄せている。
10年ほどプロデューサーと本作の映画化企画を温めていたという井上氏は「ついに念願かないました。東京を舞台にした映画はなかなかないということで、ずっとプロデューサーと東京を代表するような映画が作れたらいいなと言っていました。園子温監督が監督をしてくれるということで、毒×毒のように、園監督の強力にエッジのきいた演出で狂気をはらんだ作品になると思います。出演者をオーディションするということで、僕の漫画のキャラクターがどのようになるのか、とても楽しみです」と園監督の手腕に期待を寄せている。
本日午前10時から開始する「“SONO”映画に出たいか!?」がキャッチフレーズのYouTube公開オーディションは、自分の動画を撮影し、YouTubeに投稿してエントリーするだけで、動画審査に参加できるシステム。園監督らメインスタッフが選考に参加し、その後、通過者に対する書類審査、最終の実技オーディションというステップで進行する。最終オーディション合格者には本作への出演とともに、フロムファーストプロダクションとのマネジメント契約の可能性もあるという。応募資格は性別、国籍、キャリア不問で、日本に居住している満18歳以上が対象。その他詳細は作品公式サイト、YouTube公開オーディションサイトに記載されている。
小口欽也プロデューサーは「プロ?アマ関係なく、白も黒も関係ない。本気なやつがTRIBEのTOPに起つ。我こそは!という、やんちゃなお前らの漢を俺らに魅せてくれ!(原文ママ)」と前代未聞のオーディションへの意気込みを語っており、伝説の漫画と鬼才監督のコラボレーションが、どのように進行していくのか目が離せない。「TOKYO TRIBE」は今夏撮影開始予定。